メタルフリー治療について
- 2022年11月24日
- お知らせ
豊中市上野西 いわさきファミリー歯科・矯正歯科 副院長 岩﨑です。今回初登場です(^^) 院内ではお子様からご高齢の方々の一般診療を担当しています。
プライベートでは5歳児の母で、育児、仕事に奮闘中です。
突然ですが、歯医者さんって”痛い、怖い”といったあまり良いイメージがないですよね?
私自身小さい頃は虫歯になりやすく、よく通院していました。泣いたりすると怒られるので先生が怖くて怖くて…
歯医者が大嫌いで歯医者に対するネガティブなイメージがありました。なので自分が歯科医師になった時、歯医者嫌いな方々にも安心して通院していただけるような歯科医師になろうと決意したことを思い出します。
そのためには幅広い年齢の方々の治療ができるようなりたいと思い、勤務医時代は院内勤務と訪問診療の両立をしてまいりました。訪問診療ではたくさんの施設やお宅に訪問して、主に入れ歯を作ったり修理したりと多岐にわたる診療を経験しました。
様々な経験を経て歯医者に対するイメージを変えたい!という思いを抱き当院を開院し、当初は患者様にはご不便をおかけすることもありましたが、地域の皆様に満足して通院して頂ける歯科医院とはどんな歯科医院か?
院長をはじめスタッフと日々考え、試行錯誤しながら診療してまいりました。まだまだ発展途上ですが患者様に信頼して治療を受けていただけるよう初心に立ち返りスタッフ共々日々精進していく所存です。今後ともよろしくお願いいたします。
長くなりましたが…ここからが本題です。
今回はメタルフリー治療についてお話します。
メタルフリー治療とは金属を使用しない歯科治療のことを言います。
これまで日本では保険治療がメインのため広く金属が使われていましたが、海外ではほとんど使用していませんでした。
最近は金属が唾液に溶けだして体内に取り込まれることによる金属アレルギーのリスクや審美性の観点からメタルフリー治療を希望される方が増えてきています。
今までは保険治療での被せものや詰め物は金属が主流でしたが近年CAD/CAMというセラミックとプラスチックが合わさったハイブリッドレジンと呼ばれる白い素材を用いることが出来るようになりました。
今年の4月からは詰めものも保険適用になったことでさらに選択肢が広がり希望される方が増えています。
一方、自費治療であるセラミックも品質改良が進み、主に陶材であるオールセラミックやジルコニアがあります。
ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれ、今までジルコニアは単色で透明度がなくセラミックと比べると審美性に劣るため奥歯を中心に用いられていましたが、ここ最近は改良が進んで透明度があり天然歯と比べて違和感のないものが主流になっています。
前歯にもジルコニアを装着できるほど審美性が改善しており、適応部位が広がりました。またインプラントの上部構造にも用いられることも多くなっています。ここでCAD/CAM、セラミックのメリット、デメリットについてお話します。
・CAD/CAMのメリット
1.審美性が良い
2.金属アレルギーが起こりにくい
3.保険適用なので安価である
4.天然の歯の硬さに近いため咬み合う歯に負担がかかりにくい
・CAD/CAMのデメリット
1.自費診療となるセラミックに比べると透明感がなく、耐久性に劣る
(歯ぎしりや、咬む力が強い方は割れやすいので不向き)
プラスチックが含まれているので変色しやすく表面に傷がつきやすい。
プラークが付着しやすい。
2.ゆがみが生じやすいため二次う蝕になるリスクがある(銀歯も同様)
3.金属やセラミックと比べると被せものが外れてしまうことがある。
4. 適応外部位がある。(条件付きで上下顎6、7番は適応)
・セラミック(自費治療)のメリット
1.変色せず白いまま維持できる
2.プラ‐クが付きにくので虫歯や歯周病になりにくい
3.透明度があり審美性が良い
4.金属アレルギーの心配がない(特にジルコニアは生体親和性が良く、人工関節にも使用されている)
・セラミックのデメリット
1. オールセラミックは陶材のため強い衝撃で割れたり欠けたりすることがある
2.ジルコニアは硬いため咬み合う歯(対合歯)が削れてしまうことがある
3. 保険適用にならない
このようにCAD/CAMやセラミックにはそれぞれメリット、デメリットがありますので、ご自身に合ったものを選ぶと良いでしょう。虫歯になってしまい治療が必要な方や以前治療した銀歯が気になっている方はぜひご相談ください。