唾液のチカラとは!?
- 2022年3月3日
- お知らせ
こんにちは。豊中市上野西いわさきファミリー歯科・矯正歯科
院長 岩崎 将也です。
近頃暖かくなり春の花も咲き始め、季節の変化を感じますね。
天気の良い日は息子と散歩するのが楽しみです。
さて今回は唾液についてお話しようと思います。
皆さんは唾液というと「つば」や「よだれ」といった口から出るもので
あまり良いイメージがないかもしれません。
しかし侮るなかれ。実は唾液にはたくさんの役割があり全身の健康にも
大きく関係しているのです。
唾液はもともと透明な色はしていません。実は血液なのです。
一度血液になって耳下腺のような多数の唾液の出口(唾液腺)から
唾液になって出てくるのです。
一般的な唾液は1日に1~1.5リットルも分泌しているといわれています。
では唾液はどのような働きをしているのでしょうか?
1.潤滑作用
歯ぐきや舌などの粘膜を保護して傷つかないようにしています。
食べたり喋ったりするのをスムーズにする働きもあります。
もしお口の粘膜が乾燥してしまうと炎症がおこりやすくなり、
粘膜も傷つきやすくなってしまうのです。
2.消化作用
唾液には消化酵素(アミラーゼ)が含まれています。
食物に含まれるデンプンを糖に変える作用です。
お米をよく噛んでいると甘く感じるのはこのためです。
良く噛むと消化が良くなるのも納得できます。
3.抗菌作用
菌やウイルスに対して殺菌・抗ウイルス作用があります。
日常生活で口から侵入してくる様々な菌やウイルスを排除する
役割があります。
4.自浄作用
食べかすを洗い流してお口に残るのを防ぐ作用です。
汚れを落として口臭や虫歯、歯周病を予防してくれます。
5.緩衝作用
お口の中の酸性度(pH値)を正常に保って歯が溶けるのを防ぎます。
中でも甘いものを食べた時、虫歯菌が歯を溶かす酸を出して
歯を溶かそうとしますが、唾液はその酸を中和してくれるのです。
この機能は実はとても重要で、唾液の多い方は
虫歯になりにくいと言われています。
6.再石灰化作用
虫歯になりかけている歯を修復して強くする働きがあります。
唾液にはカルシウムやリンがたくさん含まれていてこれらが歯にくっついて、
弱っている部分を修復します。
このほかにも、唾液内の糖タンパクにより歯の表面に形成される
ぺリクルは歯を保護します。
さらにぺリクルはお口の粘膜を修復する成分も含んでいて傷を
早く治す作用もあります。
子供がぶつかったり転んだりしてお口の中が切れたりして、
たくさん血が出ても翌日には傷が治っていたりするのもこの作用が
関係していると考えられます。
簡単に唾液の作用についてお話しましたが、このように唾液には
たくさんの 役割を担っているのです。
ではこの唾液が少なくなったり、出なくなったりしたら
一体どのようになってしまうのでしょうか?
・虫歯や歯周病になりやすくなる
・話しにくくなる
・口臭がひどくなる
・口内炎ができやすくなる
・味を感じにくくなる(味覚障害を起こすことがある)
・舌がヒリヒリする
などたくさん挙げられます。
唾液が減りやすい人は更年期や高齢者によく見られますが
最近は若い人にも増えていると言われています。
唾液の減少はストレスが原因の場合もありますので若い方にも
起こりうる現象なのです。
他にもお薬の副作用、女性ホルモンの低下やシェーグレン症候群
といった病気が原因で起こりますので、最近唾液が減ったな、
と感じる場合は歯科を受診することをお勧めします。
唾液をしっかり出すためには「よく話し、よく噛み、よく笑う」ことです。
つまり、お口の周りの筋肉をたくさん動かすことです。
唾液を作り出す唾液腺は筋肉のように使わないと衰えて唾液の分泌機能が
低下してしまいます。唾液腺の周りには大きな筋肉が付いているので
筋肉を動かして唾液腺に刺激を与えることが有効です。
また、よく噛んで食べるなどお口の中を刺激すると唾液腺も刺激されます。
そしてもう一つ唾液の作用を十分に発揮するために重要なのは、
” 口呼吸をしない”ことです。
最近は鼻呼吸できない人、いわゆる「ポカン口」の人が増えてきていると
言われていて、このような方は唾液をたくさん出したとしてもすぐに
乾燥してしまい、結果的にお口の中が乾燥した状態になってしまいます。
また子供のポカン口は歯並びや顎の発達にも影響しますので
鼻呼吸を心がけると良いかと思います。
このように唾液は体の健康に関係するとても重要な役割を担っています。
そして様々な体の影響を受けます。
日ごろからこまめに水分をとり、ストレスをなるべく溜めず、よく噛み、よく笑う…
といった健康的な生活を心がけてみましょう。